2017-04

スポンサーサイト - --.--.-- --

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

言葉の力 - 2009.12.12 Sat

haru08-1.jpg



私が長いこと苦手だと思い込んでいたことのひとつに「言葉」があります。

どうやってこの思い込みをつくり、そして育ててきたのか・・・
気づいたときには、たいそう大きなものになっていました。

そして、それは私にとってごく当たり前のこととして、ベッタリと強力なラベルのように貼りつけられていたのです。
「わたし=言葉が苦手なひと」というラベルです。



このところ、自分と向き合う機会が多くなったと先日の日記に書きましたが、そんなグラグラな状態の中、何人かの方に、同じようなことばをかけられました。

「言葉が苦手ということは、言葉に敏感だということではないですか?
言葉の持つエネルギーの大きさを感じているから、言葉にすることが怖いだけじゃないですか?」と。

このタイミングで届けられたことばたちは、どうやら私の深い部分に届いたようです。
もしかしたらそうかもしれない・・・そう受け止めることができました。

そんな風に、言葉について改めて考え始めたこのタイミングで、3度目の出逢いをした文章をご紹介したいと思います。



『言葉の力』 大岡信

人はよく美しい言葉、正しい言葉について語る。しかし、私たちが用いる言葉のど
れをとってみても、単独にそれだけで美しいと決まっている言葉、正しいと決まって
いる言葉はない。ある人があるとき発した言葉がどんなに美しかったとしても、別の
人がそれを用いたとき同じように美しいとは限らない。それは、言葉というものの本
質が、口先だけのもの、語彙だけのものだはなくて、それを発している人間全体の世
界をいやおうなしに背負ってしまうところにあるからである。人間全体が、ささやか
な言葉の一つ一つに反映してしまうからである。

(続きはこちらをクリック!)
↓↓↓

京都の嵯峨に住む染織家志村ふくみさんの仕事場で話していたおり、志村さんがな
んとも美しい桜色に染まった糸で織った着物を見せてくれた。そのピンクは淡いよう
でいて、しかも燃えるような強さを内に秘め、はなやかで、しかも深く落ち着いてい
る色だった。その美しさは目と心を吸い込むように感じられた。

「この色は何から取り出したんですか」
「桜からです」

と志村さんは答えた。素人の気安さで、私はすぐに桜の花びらを煮詰めて色を取り出
したものだろうと思った。実際はこれは桜の皮から取り出した色なのだった。あの黒
っぽいごつごつした桜の皮からこの美しいピンクの色が取れるのだという。志村さん
は続いてこう教えてくれた。この桜色は一年中どの季節でもとれるわけではない。桜
の花が咲く直前のころ、山の桜の皮をもらってきて染めると、こんな上気したような、
えもいわれぬ色が取り出せるのだ、と。

私はその話を聞いて、体が一瞬ゆらぐような不思議な感じにおそわれた。春先、間
もなく花となって咲き出でようとしている桜の木が、花びらだけでなく、木全体で懸
命になって最上のピンクの色になろうとしている姿が、私の脳裡にゆらめいたからで
ある。花びらのピンクは幹のピンクであり、樹皮のピンクであり、樹液のピンクであ
った。桜は全身で春のピンクに色づいていて、花びらはいわばそれらのピンクが、ほ
んの先端だけ姿を出したものにすぎなかった。

考えてみればこれはまさにそのとおりで、木全体の一刻も休むことのない活動の精
髄が、春という時節に桜の花びらという一つの現象になるにすぎないのだった。しか
しわれわれの限られた視野の中では、桜の花びらに現れ出たピンクしか見えない。た
またま志村さんのような人がそれを樹木全身の色として見せてくれると、はっと驚く。

このように見てくれば、これは言葉の世界での出来事と同じことではないかという
気がする。言葉の一語一語は桜の花びら一枚一枚だといっていい。一見したところぜ
んぜん別の色をしているが、しかし、本当は全身でその花びらの色を生み出している
大きな幹、それを、その一語一語の花びらが背後に背負っているのである。そういう
ことを念頭におきながら、言葉というものを考える必要があるのではなかろうか。そ
ういう態度をもって言葉の中で生きていこうとするとき、一語一語のささやかな言葉
の、ささやかさそのものの大きな意味が実感されてくるのではなかろうか。美しい言
葉、正しい言葉というものも、そのときはじめて私たちの身近なものになるだろう。
(中学校『国語2』、光村図書出版、平成3年版)


3度目のご縁をいただいたこの文章に「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。



今日もみなさまにとって、素敵なご縁にあふれた一日でありますように。

スポンサーサイト

● COMMENT ●


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://pinknatural.blog60.fc2.com/tb.php/66-5afb67a3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

置き忘れてた気持ち «  | BLOG TOP |  » 恐れを手放す

プロフィール

pinknatural

Author:pinknatural
お越しいただき、ありがとうございます☆あなたとの出逢いに感謝☆

最新記事

やすらぎの癒し系名言集


presented by 地球の名言

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

未分類 (109)

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード

QRコード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。